マンションリフォームで防音対策を!

マンションリフォーム・防音・遮音

賃貸マンションや分譲マンションで最も多いトラブルは上下左右の音の問題です。
雑音は一度気になり出すと頭から離れなくなり、精神的にもイライラが募ります。
酷い場合は、精神的に深刻な病気を抱えてしまう事も。
ここでは、マンションリフォームでの防音についてご紹介していきます。

防音リフォーム:壁や窓

・壁
賃貸マンションや分譲マンションのお隣の部屋から聞こえてくる音はたくさんあります。
例えば、話し声、テレビの音、音楽、赤ちゃんの泣き声、ペットの鳴き声などがあげられるでしょう。
これらの音を騒音と感じるかどうかは人様々ですが、音の伝達力はコンクリート壁の厚さと仕上げ方によってかなり大きく違ってきます。
引っ越す際には、マンションの壁の厚みをチェック項目に入れておくとよいでしょう。 コンクリート壁の厚さは150mm以上が基準とし、壁が厚ければ厚いほど防音効果は高まります。
・内装
マンションの内装は、厚いコンクリート壁に直接ビニールクロスなどの壁紙を貼るのが良い方法とされています。
ですが、接着剤等でボード類を貼った場合、コンクリート壁とボードの間にできた隙間によって音の共鳴現象が起こり、逆に音が大きく聞こえてしまうこともあります。
それを防ぐためには、防湿遮音シートや遮音下地パネルを壁にリフォームすることが効果的で、仕上げに吸音材を使うことによって、室内の音の響きが調節できます。
また、コンセントの位置が隣の部屋と同じ場所にあると、その部分の壁が薄くなり、そこから音が漏れてしまうので、要注意です。コンセントの位置は事前に不動産会社や管理事務所に確認しておいた方が良いでしょう。
・換気扇
さらに換気扇は、開口部から音はかなり漏れているので、防音効果のある換気口に交換すると良いでしょう。
・窓
マンションでは窓の外観をリフォームすることは不可能ですが、既存の窓の遮音性を高めたい場合は、樹脂などの素材でできた気密性のある防音サッシを部屋の内側に取り付けるリフォームをすれば、リーズナブルで且つ効果抜群な防音ができます。

遮音リフォーム基礎知識:遮音性能の種類と数値、対策について

賃貸マンションや分譲マンションなどでは、通常上下にさまざまな世帯の方が暮らすため、それぞれが快適に暮らせるように、床の遮音性能を数値で規定しています。

床の遮音性能の種類

・重量衝撃音(LH)
歩いたり、飛んだり跳ねたりする時に出る重たい感じの音のこと。
・軽量衝撃音(LL)
物を落としたり、椅子を引きずったりという細かく高い感じの音のこと。

マンションの床の遮音性能における管理規約では、小さい音は聞こえるLL45以上が一般的でした。 しかし、近年ではほとんど音は聞こえないLL40以上も多くなっています。
特に、新しいマンションや遮音性能を取り入れたリフォームをしているマンションでは、上の階の部屋の音はほとんど気にならないでしょう。
また、カーペットの床は遮音性に優れていますが、個人の希望でフローリングにリフォームしたい場合は注意しましょう。マンションによっては遮音性上、フローリングに出来ない場合もあるので、管理規約をよく確認することが必要です。

マンションの床の種類と遮音対策

マンションの床は、直張りと二重床というのがあります。
ここでは、それぞれの床の効果的な遮音対策をご紹介します。
また、床の遮音リフォームは全面リフォームの際に一緒に取り入れると良いでしょう。ただし、遮音リフォームは床が高くなるので、天井高が低くなるというデメリットもあります。リフォームの際は、十分にご確認下さい。

・直張り
スラブ(コンクリート床)にフローリング材を直接貼るタイプで、足音や物音がダイレクトに階下に響いてしまいます。 そこで、遮音性のあるフローリングを貼ったり、衝撃を和らげる効果のある緩衝材を敷いてからフローリングを貼ると遮音効果が高まります。
・二重床
床を二重構造にすることで振動がスラブに伝わる衝撃を弱めます。そうすることで音が階下に伝わるのを防ぐ効果があります。 コンクリート床とフローリング材の間に緩衝材を敷けばなお効果的で、給排水、ガス、電気配線を自由に動かせるので間取り変更リフォームや水周りのリフォームでの移設にも柔軟に対応できます。

※床の遮音リフォーム:スラブ厚

床の遮音効果には、コンクリート床の厚みのことである「スラブ厚」もかかわってきます。

一昔前の賃貸マンションや分譲マンションは15センチ前後が一般的なスラブ厚でしたが、最近は音がほとんど気にならないと言っていいような、20センチを超えるスラブ厚のマンションも増えてきました。
その20センチを超えるコンクリートの上にさらに床を作るため、コンクリートと床の二重構造となり、そのため階下に音が伝わりにくくなります。
マンションのスラブ厚は基本的にリフォームで厚くしたりはできないですが、スラブ厚を知っておくと、リフォームの際にどの程度遮音・防音に気を使わなくてはならないかの一つの目安になります。

壁の防音と床の遮音、この両方が備わっていたら、上下左右の住人からのストレスも軽減し、マンション暮らしがかなり快適になることでしょう。
キッチンや間取り変更のリフォームなどをする際に、壁や床の防音もぜひ取り入れてみてください。